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乳がん体験記録 vol.4 手術当日の不安の正体(現実は何も影響力を持っていない、影響は自分の内側で起こっている)

目次

手術の朝

手術当日の朝がきた。
割とよく眠れて、体調もいい。


朝一で、
胸に注射する必要があるとかで
処置室に案内しますと連絡がきた
何の意味があるのかは忘れちゃった

時間通りナースセンターに向かうと、
もうひとり50代後半ぐらいの女性も
一緒だということが分かった。

看護師さんが
「今日同じ先生に手術受けられる方ですよ」と
説明してくれた

おおおお
なんとなんと、仲間じゃん!

普段、人とつるまないタイプだけど
この共有って、まさにこの人としかできないし
なんか、嬉しいんだけど!!

処置室のベンチでしばらく待ち時間があって
隣に座る。

話しかけたいなぁ…

でも、もしかしたら相手は、
こんな時に
話しかけられたくないかもしれない。

なんとなく空気感を探ってみると
なんか、いける気がする…

ということで、
ニコッとして話しかけてみた。


「手術、いよいよで、
ドキドキしちゃいますよねっっ


て、なんか楽しみなことがある感じのトーンで
話してしまった。

そしたら、控えめな笑顔で
優しく「そうですよね。」と返してくれた。

しばらく乳がんについて話した。

「どうやって分かりましたか?」とか
「遺伝子検査やりました?」とか
「再建手術します?」とか

共通の話題
めっちゃ楽しいんだが!!!

LINE交換もした。
結局全然連絡とってないけど

すると、女性が先に処置室に呼ばれたので、
「いってらっしゃい」て小さく手を振った。

1人でベンチで待ってると
数分で女性が戻ってきた。

入れ替わりで看護師さんに
「藤山さん、お次どうぞ」と呼ばれる。

すれ違う時
「おつかれさまぁ」と小声で声をかけると
「乳輪に何本も注射された、めっちゃ痛いですよ…」
て小声で苦笑いで返してくれた。
「まじかー洗礼受けてきますわww」
と笑って処置室に向かう。



結果、
まぁ確かに
めっちゃ痛いなwww

「もう病室戻ってもらって大丈夫ですよ」
と看護師さんに言われて
歩いていくと

さっきの女性が廊下のすみで
待っていてくれたようで
手を振っている。

駆け寄っていって、
「待っててくれたんですか!?」ていうと
「痛かったでしょー、病室まで一緒に戻りましょ」と
笑顔を向けてくれる。

「めっちゃ痛いww色々笑ける」
と一人笑って感想をいうと、

「ねー!」て女性もクスクス笑って
エレベーターに一緒に乗り込んだ。

痛みも不安も手術も、
基本一人だったから
共有できることが、なんだか嬉しかった。


無機質で灰色な病院が
いまは少し色づいて見える。

私、思ってるより
気を張ってるんだなぁ…
と自覚して

「こういう時こそ、もっとゆるもう~」と
彼女のおかげで気づけた。



そして、病室の前で
「じゃあ、手術、お互い頑張ろりましょうね」
と、言い合って別れた。

自分のお部屋に入ったら

看護師さんが
「点滴用の血管の確保します。」とすぐにきて
注射の準備を始める。

私の腕は、血管が見えづらい…
めちゃくちゃ打ちにくいみたいで、
よく失敗されるけど

3回連続で失敗されて
さすがに下手すぎやろ!

「人変えてください!」てはっきり伝えた。

今度の人は一回で済んだ。
後は数時間何もすることがない。

「もう水分も取らないでください」とのことで
本当にただ
ベッドの上にいるのみになった。

ふーと一息つくと、
ベッドの上のスマホが震える。

コロナで面会禁止だから
家族からは頻繁に連絡が入っていた。
その返信のための自撮りするか。

お母さんは大丈夫っていう思いを笑顔にのせて、幼い子供たちへ

私との誓い(不安の正体)


午後からの手術までにまだ時間がある。

静かで、何もすることがない
ベッドに寝転がって天井を見る。

なーんもない時間。
時間がたつのが遅い

やばい。
この空白は危険だ…

「不安」がふと
胸の奥から湧いてくる感覚がある…
体温がサーと引いていく感覚で
ゾクっとする

さっきまで彼女と会話していた「ひと時の共有」
から切り離され
また「ひとり」になったからかもしれない

寝返りを打って
「不安だ…」と心の中で言ってみる

胸の奥の暗闇が
じわっ…と滲んでくるのを感じる。
ぎゅっと身体が硬くなる感じ

「手術、したく…ないなぁ…」
目を閉じて、両腕でぎゅって身体を抱きしめた。

唇がかさついてることに気づく。

病院全体がとても乾いていて
24時間暖房のせいか
喉も肌も、とても乾燥する

不快だ_

家族からラインの返信がきてる。
こどもたちの笑顔の写真と
夫からの優しいメッセージ

自然と少し口角が上がる。
でも、返信する気になれず、スマホを置く。

時間がなかなかたたない。
蛍光灯に照らされた白い壁と
真っ白のベッド。

どこを見ても
私を癒してくれるものは見つからない。

静かに不安に飲まれてしまう

夫に電話で泣きつくこともできる。
不安だ、とメッセージしたら
きっと励ましてくれる。

でも、それじゃあ
何も解決できないことを知ってる。

ここは、人に頼っても埋まらない
自分でなんとかするしかない。

「こういう時、どうするんだっけ…」
正気を取り戻そうと
自分自身に心の中で声をかける

「たった一点の

安堵感のポイントに立つ…」
声に出して呟く。

安堵感のポイントは、
もうほとんど見えなくて、

ほんの少しの範囲しかないかもしれない_

でも、私はそこに立つ

そう決めても、
なかなかその場所に立つことができない…

はぁーて深いため息をつく。


孤独だ…

不安で、こわくて、つらくて、無力だ
恐怖に押しつぶされそう…

でも、このままでは今までと一緒だ。

怖がっているのは、私なんだ
だから、ワタシがそばにいて
希望を与える。
誰にも頼らず、自分自身で


そう決めて、ベッドから起き上がって、
上着を脱いでみる。

上半身裸で鏡に映る自分を見つめてみる。
いまから、左胸とお別れする。

じっと自分を見ていると、
ある言葉が浮かんできた。

「私は、傷跡の残る胸を見て、
どう感じるんだろう…」

一番の不安はこれだと分かった。

手術することじゃない
痛みへの怖さじゃない
物理的に胸がなくなることでもないんだ

本当の私の不安は、
自分にがっかりされることだった。


「こんな身体、辛くてもう見たくない…
こんな胸になってしまった、自分が嫌い。」

自分に拒絶されること。
自分が自分を嫌って目を背けること

これだった

「あぁ、どこまでいっても
この世界は
自分の目線でしかないんだな…」
と、改めて感じると
少し冷静になることができた。

誰に否定されてもいい
哀れに思われてもいい
でも、自分から否定されることが辛い

そこまで整理できると

なんだか、愛おしいよなぁ、て
自分の事を感じる。

「絶対大丈夫だから」と
自分に向けていってみる。

目を閉じて息を吸って、
自分の深いところを感じてみる。

そして、左胸に手を当てて
私は私と誓いを結ぶ
と決めた。

「大丈夫」「大丈夫」「大丈夫」
目を瞑って
小さく声に出して、
自分に対して何度も伝える。

自分の深いところまで
この言葉が浸透してくように_
自分だけのために祈る


私は、自分がどんな姿になっても
自分自身の味方でいる。

手術後にも、きっと
この傷跡は私の誇りだ、て

私はそう思える。

私は、自分の身体が大好きだ。

そう心から思えた時、
さっきまで真っ暗な闇の中で占領していた不安が
すー…と引いていくのが分かった。

胸の奥があたたかくて
安心感が広がっていった。

結局もう、
やっぱりそうなんだよ。

嫌というほど、
乳がんを通して実感するのは、

現実の状況が
自分を不安にさせているんではない

ということ。

不安はいつだって、
自分の心の中にある。



現実は、関係ない。
自分の捉え方や感じ方ひとつで
現実への意味付けは180度変わってしまう。

外の現状は
本当は何も影響してこない。

影響はいつだって、
自分自身の中で起こってる


上着を直して、
もう一度横になる。

もう、不安はない。

自分自身との誓いを胸に、
安堵感のポイントに立って、
私はこれから手術を迎える

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